「レントゲンでは軽度の変形性膝関節症と言われたが、膝の痛みがなかなか取れない」
このようなケースでは、骨の変形そのものよりも、関節内の炎症やもやもや血管(異常血管)が痛みの中心となっていることがあります。
軽度といわれる変形性膝関節症(KL分類 I〜II)でも強い痛みを伴う場合は、
まず炎症を落ち着かせることが、治療の第一段階として重要です。
その選択肢の一つが、動注治療です。
軽度でも生じる関節内の炎症と、もやもや血管
KL分類 I〜II は、関節裂隙が比較的保たれ、骨変形が軽度な段階です。
しかし、滑膜炎などの関節内炎症が続くことで、痛みが生じます。
炎症が慢性化すると、体は修復反応として新しい血管を作り出します。
この過程で増えてくるのが、もやもや血管(異常血管)です。
これらの血管の周囲には痛みを伝える神経が集まりやすく、
「少し動かしただけで痛む」「安静にしていてもズキズキする」といった、
レントゲン画像所見と一致しない強い痛みを引き起こす要因になります。
動注治療で「炎症のブレーキ」をかける
動注治療は、
炎症や痛みに関与している異常血管に直接アプローチする治療です。
血管(動脈)からを用いて、炎症に関与する血管に薬剤を注入し、
異常血管への血流を抑えることで、
炎症と痛みの悪循環にブレーキをかけることを目的とします。
これは、骨の変形そのものを治す治療ではありませんが、
痛みの土台となっている炎症を落ち着かせるという点で、
”レントゲンなどの画像検査で軽度”と評価される変形性膝関節症において重要な役割を担います。
炎症が落ち着いた後に考えるべきこと
炎症が強い状態では、
リハビリや運動を行っても痛みが先行し、十分な効果が得られないことがあります。
動注治療によって炎症が落ち着くと、
膝を動かしやすい状態が整い、
次の段階として「膝関節への負担を減らす取り組み」がしやすくなります。
ここからが、
痛みの再燃や将来的な増悪を防ぐための重要なフェーズです。
膝関節への負担を減らすための視点
膝の痛みは、炎症だけでなく、
膝の使われ方や力のかかり方とも深く関係しています。
膝のアライメントを整える
- 膝が内側・外側に偏っていないか
- 体重のかかり方に左右差がないか
こうした点を見直すことで、
特定の部位に集中していた負担を分散させることができます。
膝まわりの筋肉を活性化する
炎症が落ち着いた後は、
膝を支える筋肉を正しく使える状態に整えることが重要です。
特に、
- 大腿四頭筋
- ハムストリングス
- 中殿筋などの股関節周囲筋
これらが適切に働くことで、
膝関節の安定性が高まり、再び炎症が起こりにくい環境が作られます。
動注治療は「次の治療につなぐ土台」
軽度の変形性膝関節症における動注治療は、
それ単独で完結する治療ではなく、次の段階につなげるための土台と捉えることができます。
- まず炎症を抑える
- 動かしやすい状態を作る
- 膝への負担を減らす
この流れを意識することで、
痛みの改善だけでなく、将来的な増悪を防ぐことにつながります。
軽度の段階だからこそ、先を見据えた治療を
軽度の変形性膝関節症は、
まだ膝の状態をコントロールできる余地が大きい段階です。
「まだ軽いから」と様子を見るのではなく、
炎症を抑え、その後に膝への負担を減らすという視点で治療を進めることが、
長く自分の膝を使い続けるために重要です。
「膝の痛みがあって歩くのがつらい」「歩くと痛いところに強い圧痛がある」
そんな方は、芦屋 /西宮/神戸市東灘区で動注治療を行っている当院へ、ぜひ一度ご相談ください。

