「トリプタンが効きにくい」「心臓・脳血管の持病があって使えない」
このようなお悩みを持つ片頭痛患者さんにとって、ラスミジタン(レイボー®)は注目されている治療選択肢の一つです。
本コラムでは、実際の治療現場(リアルワールド)での有効性と副作用、そして“何か食べてからレイボーを内服する”工夫で副作用が軽くなる可能性について、論文データをもとにわかりやすく解説します。
ラスミジタンとは?― トリプタンが使えない方の新しい選択肢
ラスミジタンは、片頭痛の痛み伝達に関わる5-HT1F受容体に選択的に作用する薬です。
血管を収縮させないため、心疾患や脳血管リスクがありトリプタンが使えない方にも処方できる点が特徴です。
リアルワールドでの有効性(DART study)
臨床試験だけでなく、実際の診療現場でどれくらい効くのかを評価したのが
Effectiveness and tolerability of lasmiditan in the acute treatment of migraine(DART study)です。有効性のポイント(実臨床データ)
ラスミジタンのリアルワールド有効性(DART study)
| 項目 | 割合 |
| 2時間後疼痛消失 | 約30% |
| 症状改善(痛み軽減) | 約60% |
| 副作用での中断 | 約10% |
- 2時間後に「痛みが消えた」方が約3割
- 痛みや随伴症状が軽くなった方は約6割
- 副作用などで継続できなかった方は1割程度
トリプタンが無効・使用困難な患者さんを含む集団での結果であり、
「これまで選択肢が少なかった方にとって現実的な治療」と位置づけられています。
ラスミジタンの副作用 ― 多いが、多くは軽度
主な副作用と頻度
主な副作用頻度(視覚的イメージ)

※多くは軽度〜中等度で、時間とともに改善します。
なぜ副作用が起こる?
ラスミジタンは中枢神経(脳)に直接作用するため、
眠気・めまい・ふわっとした感じ(浮動感)が出やすいと考えられています。
これは危険な副作用というより、作用機序に由来する特徴です。
食前 vs 食後で副作用は変わる?(重要)
Comparison of the adverse events of preprandial and postprandial lasmiditan intake では、
空腹時と食後での副作用頻度が比較されました。
結果のポイント
- 空腹時(食前)内服のほうが副作用が多い
- 何か食べてから内服すると副作用が少ない傾向
食前 vs 食後の副作用比較
| 内服タイミング | 副作用頻度 |
| 空腹時 | 約40% |
| 食後 | 約25% |
なぜ食後だと楽なの?
食事により
- 血中濃度の急激な上昇が抑えられる
- 中枢への刺激がマイルドになる
といった可能性が考えられています。
「必ず食後でなければならない」わけではありませんが、副作用が心配な方には有用な工夫です。
レイボーはどんな人に向いている?/慎重に内服するべき人は?
向いている方
- トリプタンが効きにくい
- 心疾患・血管リスクでトリプタンが使えない
- めまいが出ても横になれる環境がある
慎重投与が望ましい方
- 強い眠気が仕事上困る方
- 高齢者
- 他の中枢作用薬を多く内服中の方
運転制限について(重要)
ラスミジタン内服後は、
原則として当日の自動車運転・危険作業は避ける必要があります。
これは一時的な眠気・判断力低下を防ぐためで、安全面からとても大切です。
まとめ:片頭痛は「我慢する病気」ではありません
✔ 片頭痛は適切な治療で生活の質を大きく改善できます
✔ 合う薬は人それぞれ
✔ 副作用が心配でも、飲み方の工夫や用量調整で使えることがあります
芦屋・西宮・神戸エリアで片頭痛治療をお考えの方へ。
当院では、片頭痛の治療薬の効果と副作用を丁寧に評価し、患者さん一人ひとりに合わせた処方調整を行っています。
「トリプタンが使えない」「片頭痛 めまい・眠気がつらい」
そんな方は、芦屋 片頭痛外来/西宮 頭痛外来/神戸市東灘区 頭痛外来として、ぜひ一度ご相談ください。
自己判断で薬を中止せず、安心して治療を続けられる方法を一緒に考えましょう。
参考文献
- Kato Y, et al. Comparison of the adverse events of preprandial and postprandial lasmiditan intake: A retrospective chart review. Headache. 2023;63(4):620–628.
- Viana M, et al. Effectiveness and tolerability of lasmiditan in the acute treatment of migraine: a real-world, prospective, multicentric study (DART study). Cephalalgia. 2023;43(2):1–10.

