「生理が近づくと、決まって頭がズキズキする」
「痛み止めを飲んでも、今回は効きにくい」
「これは体質だから仕方ないのかな…」
このようなお悩みを抱えている女性は、決して少なくありません。
月経のたびに起こる強い頭痛は、月経関連片頭痛と呼ばれる、れっきとした治療対象の頭痛です。
頭痛のたびに寝込んでしまうと日常生活にも大きな支障が出ます。仕組みを知ることで、対策の選択肢が見えてきます。
① 月経関連片頭痛とは?
月経関連片頭痛とは、月経開始の前後に強く出現する片頭痛のことを指します。
一般的には、生理開始の2日前〜開始後3日以内に起こる頭痛が該当します。
このタイプの片頭痛には、次のような特徴があります。
- 通常の片頭痛より痛みが強い
- 持続時間が長く、数日続くことがある
- 市販の鎮痛薬が効きにくい
「生理と頭痛が関係している気はする」という方も多いかもしれません。
② エストロゲンと片頭痛の関係
月経関連片頭痛の大きな引き金は、女性ホルモン(エストロゲン)の急激な低下です。
排卵後から月経直前にかけて、体内のエストロゲンは大きく変動します。
特に月経直前には、エストロゲンが急に下がります。この変化が、脳の痛みを感じる仕組みを刺激します。
具体的には、
- 三叉神経(顔や頭の感覚を伝える神経)が過敏になる
- セロトニン(痛みを抑える神経伝達物質)の働きが低下する
といった変化が起こり、脳が「痛みを感じやすい状態」になります。
これが「生理前の頭痛」「ホルモンと片頭痛」が結びつく理由です。

③ 貧血(鉄欠乏)と頭痛の意外な関係
もう一つ見落とされがちなのが、鉄欠乏(隠れ貧血)です。
月経量が多い方では、気づかないうちに体内の鉄が不足していることがあります。
鉄は、酸素を運ぶだけでなく、脳内の神経伝達物質を作る材料でもあります。
鉄が不足すると、
- 神経の働きが不安定になる
- 痛みの調整がうまくいかなくなる
- 片頭痛が慢性化しやすくなる
といった影響が考えられます。
特にフェリチン(体内の鉄の貯蔵量)が低い場合、通常の血液検査では見逃されることもあります。必要に応じて検査を行うことが大切です。
④ 月経関連片頭痛の予防治療
月経関連片頭痛では、「痛くなってから我慢する」以外の選択肢があります。
● 短期予防
月経のタイミングに合わせて、トリプタン製剤、ナルティークなどの内服を計画的に行う方法があります。
● ホルモン療法
ホルモン変動をなだらかにする治療が検討される場合もあります。産婦人科で治療を受けていただきます。
● CGRP関連薬
近年、片頭痛の仕組みに基づいた新しい治療薬も登場しています。
● 予防内服
β遮断薬や抗てんかん薬などが、状況に応じて選択されることもあります。
※いずれも効果や適応には個人差があり、治療の選択は医師の判断が必要です。
⑤ 漢方治療という選択肢
「できれば体にやさしい治療を考えたい」
そのような方に、漢方治療が選択肢になることもあります。
よく用いられる処方には、
- 当帰芍薬散:冷えや貧血傾向がある方
- 桂枝茯苓丸:血の巡り(瘀血)が関与する場合
- 加味逍遙散:ストレスや自律神経の乱れが強い場合
などがあります。
漢方では東洋学的な視点から体質バランスを整え、症状を抑えるという考え方をします。
西洋医学の治療と併用が可能な場合も多く、医師と相談しながら進めることができます。
⑥ 我慢しないという選択
月経関連片頭痛を、
「女性だから仕方ない」
「体質だから我慢するしかない」
と考えてしまう方は少なくありません。
月経関連片頭痛は、適切に評価し、上手に予防することで生活の質を改善できる可能性があります。
まとめ|毎月のつらさを、変えられる可能性があります
月経関連片頭痛には、
- エストロゲン低下
- 鉄欠乏(貧血)
- 脳の過敏性
といった背景があります。
原因を知り、適切な予防や治療を行うことで、「生理のたびに寝込む毎日」から抜け出せる可能性があります。
一人で悩まず、
「これは相談していい頭痛なのかな?」
と思った時点で、ぜひ一度、専門医にご相談ください。
あなたの生活に合った治療の選択肢を、一緒に考えていきましょう。

