3月8日は国際女性デー(International Women’s Day)です。
女性の社会的な権利や活躍だけでなく、女性の健康について考える日でもあります。
メディアや医療記事でも、「女性の健康は十分に研究されてこなかった」という指摘が多く見られます。その中で注目されているのが、女性に多い慢性的な痛みや不調です。
代表的なものとして
があります。
どちらも女性に多く、生活に影響する病気ですが、
「年齢のせい」「疲れのせい」として見過ごされてしまうことも少なくありません。
今回は国際女性デーに合わせて、女性に多いこの2つの症状について考えてみたいと思います。
女性に多い神経の病気 ― 片頭痛
片頭痛は世界で10億人以上が経験するといわれる神経疾患です。
そして特徴的なのは、女性に非常に多いという点です。
研究では
- 女性は男性の約3倍
- 女性の5人に1人
が生涯で片頭痛を経験すると報告されています。
片頭痛は単なる頭痛ではなく、
- ズキズキする拍動性の痛み
- 吐き気
- 光や音がつらい
などの症状を伴うことがあります。
さらに
- 仕事ができない
- 家事がつらい
- 外出できない
など、生活の質(QOL)を大きく下げる病気でもあります。
女性ホルモンと片頭痛
女性に片頭痛が多い理由の一つが、女性ホルモン(エストロゲン)の変化です。
片頭痛は特にエストロゲンが急に低下するタイミングで起こりやすいことが知られています。
その代表が月経関連片頭痛です。
月経前後に
- 強い頭痛
- 吐き気
- 長引く痛み
が起こる女性は少なくありません。
また女性の片頭痛は
- 思春期
- 妊娠
- 出産
- 更年期
など、ライフステージによって状態が変化することも特徴です。
更年期に増える手のトラブル
メノポハンドとは
もう一つ、近年注目されているのが、メノポハンド(menopausal hand)です。
これは病名ではなく、更年期女性に多い手のトラブルをまとめた概念です。
更年期になるとエストロゲンが低下し、関節や腱、靭帯の状態が変化すると考えられています。
その結果、次のような手の症状が起こることがあります。
メノポハンドに含まれる主な疾患
| 疾患 | 特徴 |
|---|---|
| 手根管症候群 | 手のしびれ、夜間の痛み |
| ヘバーデン結節 | 指の第一関節の変形 |
| ブシャール結節 | 指の第二関節の変形 |
| ばね指 | 指の曲げ伸ばしで引っかかる |
| 母指CM関節症 | 親指の付け根の痛み |
特に多いのが
- 朝の手のこわばり
- 指の痛み
- 指関節の腫れ
といった症状です。
「最近、朝に手が動きにくい」
「ペットボトルのふたが開けにくい」
このような症状の背景にメノポハンドが関係していることもあります。
女性の体はライフステージで変化する
女性の体は
- 月経
- 妊娠
- 出産
- 更年期
など、ホルモンの変化を伴う大きなライフイベントがあります。
そのため
- 片頭痛
- メノポハンド
- 更年期症状
- 骨粗しょう症
など、特定の年代で起こりやすい病気が存在します。
しかし実際には
「年齢だから仕方ない」
「我慢するしかない」
と考えてしまう方も少なくありません。
我慢しないことも大切な選択
片頭痛や手の痛みは、日常生活に大きな影響を与えることがあります。
近年は
- 片頭痛の新しい予防治療(CGRP抗体など)
- 手根管症候群の治療
- ばね指や関節症の治療
などに対する治療の選択肢も増えてきました。
症状によっては
- 薬物治療
- リハビリ
- 動注治療
などで改善することもあります。
もし
- 頭痛が繰り返し起こる
- 市販薬を頻繁に使っている
- 手の痛みやこわばりが続く
そのような場合は、医療機関で相談することも一つの方法です。
国際女性デーに寄せて
国際女性デーは
女性の権利や社会的な活躍を考える日ですが、
同時に女性の健康について考える日でもあります。
片頭痛やメノポハンドは、
- 見た目では分かりにくい
- 周囲に理解されにくい
という特徴があります。
だからこそ「我慢するしかない症状ではない」ということを知ることが大切です。
女性の体は人生の中で変化していきます。その変化に合わせて、自分の体を大切にすることも重要なことです。
国際女性デーをきっかけに、女性の健康について少し立ち止まって考える機会になれば幸いです。
参考文献
- Vetvik KG, MacGregor EA. Sex differences in the epidemiology, clinical features, and pathophysiology of migraine. Lancet Neurology. 2017.
- Carmona L, et al. Hand osteoarthritis and menopause. Annals of the Rheumatic Diseases. 2001.

