ヘバーデン結節とは?
指の第一関節の痛み・腫れは「年齢のせい」だけではありません。
「指先の関節が腫れてきた」
「曲げると痛い」「見た目が変わってきて不安」
このような症状で受診される方の多くがヘバーデン結節と診断されます。
頚椎の骨と骨の間の椎間板(クッション)が変性(形が変わること、へしゃげたクッションを思い浮かべてください)することで神経のおおもとである脊髄、そこから身体のすみずみに神経を張り巡らせる神経根を圧迫します。その刺激により神経にトラブルを起こすことにより症状が出てきます。
しかし実際には、
- 年のせいだから仕方ない
- 治療しても良くならない
- 湿布くらいしかない
と誤解されていることも少なくありません。
ヘバーデン結節は正しい理解と治療選択によって、痛みの軽減・進行抑制が期待できる疾患です。指は毎日使い、目にも入りやすい場所だからこそ、症状を放置せず、上手に付き合っていきたい病気です。
ヘバーデン結節の疫学(どのくらい多い?)
ヘバーデン結節は、手の指の第一関節(DIP関節)に生じる変形性関節症です。
- 中高年女性に多い
- 特に40〜60代以降で増加
- 男性にも起こるが女性が圧倒的に多い
- 両手・複数指に起こることが多い
閉経前後の女性に多いことから、ホルモン(エストロゲン)低下との関連が強く示唆されています。
ヘバーデン結節の原因
関節の変性(変形性関節症)
関節の変性が基本病態です。
その結果、
- 関節に炎症が起こる
- 骨が変形・増殖する
- 関節周囲の神経が刺激される
ことで、痛みや腫れが生じます。
ホルモンバランスの変化
エストロゲンには、
- 軟骨を守る
- 炎症を抑える
といった作用があります。閉経によりこれが低下すると、関節トラブルが起こりやすくなります。
使い過ぎ・負荷
- 指先をよく使う仕事
- 家事・手作業
- スマホや細かい作業
も悪化因子になります。
主な症状としては、指先(第一関節)の痛み、腫れ・赤み・熱感、朝や使い始めのこわばり、などが見られます。強い痛みが出やすく、変形が進むと痛みは落ち着くが見た目が残る、という経過をとることが多いのが特徴です。
鑑別診断(似た病気との違い)
ヘバーデン結節と似た症状を示す疾患には以下があります。
- ブシャール結節(第二関節)
- 関節リウマチ
- 乾癬性関節炎
- 痛風・偽痛風
特に、
- 複数関節の腫れ
- 強い朝のこわばり
- 血液検査異常
がある場合は、他疾患の除外が重要です。
ヘバーデン結節の治療法
いずれの治療も、すでに変形してしまった指の関節を元の形に戻すものではありません。
しかし、痛みをやわらげることや、状態がこれ以上悪くならないようにすることを目指した治療は可能です。特に大切なのは、指の関節に起きている腫れや炎症をしっかり抑えることです。炎症を抑えることで痛みが軽くなり、関節への負担を減らし、変形の進行をできるだけゆるやかにすることが期待できます。
鎮痛薬(西洋医学的治療)
- NSAIDs(消炎鎮痛薬)
- アセトアミノフェン
痛みを抑える目的で使用されますが、根本治療ではありません。長期使用には胃腸障害・腎機能への配慮が必要です。
漢方薬治療
ヘバーデン結節は、
- 炎症
- 血流障害
- 体質(冷え・むくみ・虚弱)
が複雑に関与します。漢方薬はこれらを総合的に整える治療です。体質・症状に合わせて処方を調整することで、痛みの軽減・腫れの改善・再燃予防を目指します。
当院は院長が東洋医学会漢方専門医なので漢方薬での治療を積極的に行っております。
エクオール(エクエル®)
エクオールは、大豆イソフラボン由来のサプリメントでエストロゲン様作用を持つ成分です。
閉経後女性では体内で作れない方も多く、サプリメントによる補充が有効な場合があります。
- 指の痛み
- 更年期症状
- 骨・関節トラブル
を併せてケアできる点が特徴です。
※ 自費での治療になります。(1か月の費用は、税込4,320円です)
動注治療(当院で行っている専門的治療)
ヘバーデン結節の痛みには、指の関節の炎症に関与する異常血管が関係しているケースがあります。
動注治療では、手首付近の動脈から、指の痛みに関与している血管へ薬剤を届けます。
炎症を起こしやすい血流の働きを抑えることで、痛みの軽減を目指す治療です。
他治療で改善しなかった方にも選択肢となります。
※ 自費での治療になります。
- 片側
- 25,000円 (税込価格27,500円)
- 両側
- 35,000円(税込価格38,500円)
「年のせい」と諦めないでください。
ヘバーデン結節は、
- 正確な診断
- 状態に合った治療
を組み合わせることで、痛みと生活の質を大きく改善できる疾患です。「もう仕方ない」と思う前に、ぜひ一度ご相談ください。
参考文献
Zhang Y, et al. Epidemiology of hand osteoarthritis. Rheum Dis Clin North Am. 2008;34(2):305-317.
Bijsterbosch J, et al. Hormonal factors and osteoarthritis. Arthritis Res Ther. 2013;15(1):R44.
内田俊也ほか. 変形性関節症の診断と治療. 日本整形外科学会雑誌. 2019.
松田邦夫. 漢方医学による運動器疾患治療. 漢方と最新治療. 2020.
Aso T, et al. Effects of equol supplementation. Menopause. 2012;19(7):776-782.
ヘバーデン結節なら、ペインクリニック芦屋ピッコロ診療所にお任せください。
腰痛、頭痛、肩、膝痛などの整形外科疾患の治療を得意としています。神戸市、西宮市、苦楽園、尼崎市からもアクセスが便利です。甲南山手・夙川からも沢山ご来院いただいています。