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2025年9月 4日
「台風が近づくと頭がズキズキ痛む」「腰の痛みが強くなる」――そんな経験をされた方は少なくありません。これは単なる気のせいではなく、医学的にも「気象と痛みの関係」は多くの研究で報告されています。特に台風のような急激な気圧の変化は、片頭痛や慢性腰痛の悪化と関連することがわかっています。
片頭痛は脳の血管や神経の働きに異常が生じて起こる発作性の頭痛です。気圧が下がると痛みを感じる神経(三叉神経)が刺激されやすくなることが原因と考えられています。
実際、日本頭痛学会の調査や複数の臨床研究では、「片頭痛患者の6〜7割が天候変化で症状が悪化する」と報告されています (1)。また、気圧センサー付きアプリを使った研究でも、台風接近時に片頭痛発作が増えることが示されています (2)。
腰痛についても、気圧や湿度の変化との関連が指摘されています。慢性腰痛患者を対象とした研究では、低気圧や高湿度の日に痛みが増強する傾向が確認されています (3)。
その理由の一つは、気圧低下により体内の圧力バランスが崩れ、椎間板や関節にかかる負担が変化すること。また湿度の上昇による自律神経の乱れや筋肉の緊張も影響していると考えられています。
片頭痛の場合は、発作が起こる前に予兆を察知して、スケジュール管理をする事(用事をいれすぎない、OA機器の使用を控える)、頭痛が起こった際には頓挫薬(鎮痛薬やトリプタンなど自分にもっともあうもの)を早めに服用することが有効です。また、十分な睡眠、規則正しい食事、過度のストレス回避も予防につながります。
腰痛については、台風前後の時期に軽めのストレッチや体幹を安定させる運動を行うと、症状の悪化を防ぐ助けになります。温熱療法で血流を促すことも効果的です。
台風の時期に体調が崩れるのは偶然ではなく、医学的にも裏付けがある現象です。もし症状が繰り返し強く出るようであれば、一度医療機関で相談し、適切な治療や予防策を取り入れることをおすすめします。天候は変えられませんが、対策を知っておくことで「台風の日も安心して過ごす」ことができます。
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参考文献
Sato H, et al. Influence of weather changes on migraine and tension-type headache. Cephalalgia. 2013;33(13):1180-1188.
Mukai N, et al. Meteorological conditions and migraine headache: Evidence from a smartphone-based study in Japan. Sci Rep. 2017;7:16736.
Yoshimoto T, et al. Influence of weather on pain in patients with chronic low back pain: A prospective cohort study. Pain Res Manag. 2019;2019:ID 7350159.