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2026年1月26日
指先の第一関節が腫れて痛む、曲げにくい、見た目が気になる。
ヘバーデン結節は、とくに40~60代以降の女性に多くみられる指の変形性関節症です。
「年齢のせい」「治療は対症療法しかない」と言われ、
痛みや不安を抱えたまま過ごしている方も少なくありません。
近年、このヘバーデン結節に対し、
女性ホルモンの変化に着目した治療補助として"エクオール"が注目されています。
ヘバーデン結節は、指の第一関節(DIP関節)に起こる変形性関節症です。
発症には加齢や遺伝、手の使いすぎが関与しますが、
閉経前後の女性に多いという特徴があります。
これは、閉経に伴うエストロゲン低下が、
・関節の炎症抑制
・軟骨代謝
・骨リモデリング
といった働きを弱めるためと考えられています。
実際、閉経後女性では手指の変形性関節症の有病率が高く、
ホルモン環境の変化が病態に関与していることが示唆されています。
エクオールは、大豆イソフラボン(ダイゼイン)から
腸内細菌によって産生される代謝物です[3]。
エクオールの特徴は、
✔ エストロゲン受容体βへの選択的作用
✔ 体内で穏やかに作用する
✔ 合成ホルモンとは異なる作用機序
をもつ点です。
重要なのは、
日本人女性の約50%は腸内でエクオールを産生できないと報告されていることです。
そのため、
「大豆を食べていてもエクオールが不足している」
ケースが少なくありません。
① 痛み・こわばりの改善
日本人女性を対象とした研究では、
手指変形性関節症(ヘバーデン結節を含む)患者にエクオールを補充したところ、
指の痛みスコアが有意に改善したことが報告されています。
これは、
エクオールの抗炎症作用およびエストロゲン様作用によるものと考えられています。
② 進行抑制の可能性
エクオールは、
軟骨・骨代謝に関与するサイトカインの調整作用を持つことが示されており、
関節変形の進行を緩やかにする可能性が示唆されています。
すでに変形した関節を元に戻すことはできませんが、
「これ以上悪化させない」ことは重要な治療目標です。
③ 更年期症状を伴う方に適している
更年期症状(ほてり、関節痛、気分変動)を伴う女性では、
関節症状と更年期症状の双方が改善したという報告もあります。
エクオールは植物由来成分であり、
ホルモン補充療法(HRT)とは異なる作用機序を持ちます。
これまでの報告では、
・重篤な副作用はまれ
・短期~中期使用での安全性は高い
・乳がん・子宮体がんリスクを有意に上昇させる明確なデータはない
とされています。
ただし、
✔ ホルモン感受性腫瘍の既往
✔ 妊娠中・授乳中
の場合は、医師の判断のもとで使用する必要があります。
ヘバーデン結節は命に関わる病気ではありません。
しかし、
・日常動作の不便
・見た目のストレス
・慢性的な痛み
が、生活の質(QOL)を大きく下げます。
エクオールは、今ある痛みを和らげ、これ以上悪化させないための"現実的な治療補助"です。
ペインクリニック芦屋ピッコロ診療所ではヘバーデン結節に対して、漢方薬やサプリメント、動注治療などを行っております。
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参考文献
Ushiyama T, et al. Effects of equol supplementation on hand osteoarthritis in Japanese women. Menopause. 2016;23(5):497-505.
Akaza H, et al. Equol: a novel phytoestrogen with beneficial effects on menopausal symptoms and joint pain. J Nutr Sci Vitaminol. 2014;60(2):141-147.
Setchell KD, Clerici C. Equol: history, chemistry, and formation. J Nutr. 2010;140(7):1355S-1362S.
Sathyapalan T, et al. Isoflavones and musculoskeletal health. Climacteric. 2018;21(2):137-144.