五十肩(肩関節周囲炎)と肩回りの筋肉の使い方について

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五十肩(肩関節周囲炎)と肩回りの筋肉の使い方について

2025年9月14日

① 五十肩と肩回りの筋肉・腱板の関わり

「五十肩」と呼ばれる肩関節周囲炎は、40〜60代に多くみられる肩の痛みと可動域制限を特徴とする疾患です。原因は一つではありませんが、肩関節を安定させる「腱板(ローテーターカフ)」の使い方が大きく関係していることが知られています。

腱板は、棘上筋・棘下筋・小円筋・肩甲下筋という4つの筋肉からなり、上腕骨頭を関節窩に安定させつつ、腕をスムーズに動かす役割を担っています。しかし、日常生活で不良姿勢が続くと、腱板に過度の負担がかかり炎症や微小な損傷が起こりやすくなります。

特にパソコン作業やスマートフォン操作では、前かがみ姿勢や猫背姿勢が長時間続きやすく、肩甲骨の位置が前方に傾き、腱板が正しく働きにくい状態になります。結果として、肩関節周囲に炎症が起こり、五十肩の発症や悪化につながることが報告されています。

② 五十肩の初期治療 ― 炎症期には積極的に痛みを除きましょう

五十肩は一般的に「炎症期」「拘縮期」「回復期」という経過をたどります。

炎症期(発症初期)
強い痛みと夜間痛が特徴です。この時期は炎症を抑えることが第一であり、過度な運動療法はかえって悪化を招くことがあります。内服薬や湿布が用いられることもありますが、睡眠に支障がある、常に不愉快な痛みがあるといった強い痛みに対しては関節内注射(ステロイド注射など)をはじめとした治療が有効とされ、症状の緩和に大きな効果があると報告されています。

拘縮期
炎症は落ち着いてきますが、肩関節の動きが固くなり、可動域制限が強く現れる時期です。ここではリハビリテーションによる関節可動域の改善が重要です。

回復期
徐々に痛みが改善し、動きも回復していきますが、正しいリハビリを行わなければ可動域制限が残る場合があります。

いずれの時期においても、日常生活での肩の使い方を見直し、腱板に無理のない姿勢・動作を意識することが重要です。特に炎症期から拘縮期にかけては、不良姿勢の改善や肩甲骨の安定性を意識する運動が症状の改善につながります。

③ リハビリテーションと最新治療

五十肩に対するリハビリテーションは、従来からストレッチや可動域訓練、温熱療法などが中心でした。しかし、近年は新しい治療法も注目されています。

体外衝撃波治療(ESWT)
体外衝撃波は石灰沈着性腱板炎に対して有効とされていましたが、近年では五十肩に対しても疼痛軽減と機能改善効果が報告されています。非侵襲的で副作用も少ない点が特徴です。

VRリハビリテーション
ReHAB.で採用しているmediVRカグラなど、バーチャルリアリティ(VR)を用いたリハビリは、没入感を伴う環境で運動を行うことで脳の運動学習を促進し、従来のリハビリよりもモチベーションを高めやすいとされています。肩関節疾患においても、VRによる運動療法が可動域改善や疼痛緩和に有効であるとの報告が増えてきています。

これらの治療は従来のリハビリと組み合わせることで相乗効果を発揮し、患者さんの生活の質(QOL)向上に寄与します。

まとめ

五十肩は「加齢だから仕方ない」と考えられがちですが、肩回りの筋肉や腱板の使い方、日常生活での姿勢の工夫によって予防・改善が可能です。発症初期で症状が強い場合には注射治療で炎症を抑え、その後は体外衝撃波やVRを含むリハビリテーションで肩の機能を取り戻すことが推奨されます。
肩の違和感や痛みを感じたら、早めに医師へ相談し、適切な時期に適切な治療を受けることが大切です。

参考文献
・Yamamoto A, et al. Prevalence and risk factors of a rotator cuff tear in the general population. J Shoulder Elbow Surg. 2010;19(1):116-120.
・Buchbinder R, et al. Efficacy and safety of corticosteroid injections for shoulder pain: a systematic review and meta-analysis. Ann Intern Med. 2003;138(8):659-672.
・Ioppolo F, et al. Clinical application of shock wave therapy in musculoskeletal disorders: a systematic review. Br Med Bull. 2014;110(1):179-208.
・Gumaa M, et al. Effectiveness of virtual reality-based rehabilitation on upper limb function in patients with shoulder disorders: systematic review and meta-analysis. Physiother Theory Pract. 2021;37(10):1099-1114.

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