群発頭痛に対する酸素治療とは ― 保険適用で受けられる、発作時の有効な治療

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群発頭痛に対する酸素治療とは ― 保険適用で受けられる、発作時の有効な治療

2026年1月24日

群発頭痛は、「世界三大激痛のひとつ」とも呼ばれるほど、非常に強い痛みを伴う頭痛です。片側の目の奥をえぐられるような痛みが、夜間や明け方に突然起こり、涙や鼻水、目の充血を伴います。

このような激しい痛みに対して、発作時に高い効果が期待できる治療法のひとつが「酸素療法」です。この治療は、日本では保険適用で受けることが可能であり、正しく使えば多くの患者さんの苦痛を大きく軽減できます。

酸素療法とはどのような治療か

群発頭痛の酸素療法とは、高濃度の酸素をマスクで吸入する治療です。

(酸素スプレーでは効果ありません。酸素流量が少なすぎます)

具体的には、

  • 100%酸素
  • 流量 7~12L/分(場合により15L/分)
  • 非再呼吸マスクを使用
  • 発作出現後すぐに開始し、15~20分吸入

という方法で行われます。

薬を体内に入れる治療ではないため、全身への負担が少ないことも特徴です。

なぜ酸素で群発頭痛が和らぐのか

群発頭痛では、三叉神経、血管、自律神経が複雑に関与し、脳内で異常な反応が起きていると考えられています。

高濃度酸素を吸入することで、

  • 内頚動脈という脳血管の異常な拡張を抑える
  • 三叉神経の過剰な興奮を鎮める
  • 自律神経のバランスを整える

といった作用が起こり、発作の痛みが短時間で軽減・消失すると考えられています。

酸素療法の効果はどのくらい?

多くの研究で、酸素療法は群発頭痛発作に対して非常に有効であることが示されています。

  • 吸入開始から5~15分以内に痛みが軽減
  • 約7割以上の患者で有効
  • 効果が出れば、その発作はほぼ終息

という報告もあります。

特に、トリプタンが使いにくい人にとって、頻回に群発頭痛が起こる方にとって、酸素療法は第一選択になり得る治療法です。

保険適用と費用について(日本)

群発頭痛に対する在宅酸素療法は、医師が群発頭痛と診断した場合、保険適用となります。

費用の目安:酸素濃縮器やボンベのレンタル、在宅酸素療法管理料などを含め、月額 7671点(3割負担で25000円程度)です。
※自己負担割合や医療機関、導入内容によって多少異なります。

どのような人に酸素療法が勧められるか

酸素療法は、次のような方に特に勧められます。

  • 群発頭痛と診断されている
  • 発作が頻繁に起こる。トリプタンの使用回数が多い
  • トリプタンの副作用が強い、または使えない
  • 発作時にできるだけ早く痛みを抑えたい

一方で、

  • 発作の頻度が非常に少ない
  • 発作時間が極端に短い

といった場合には、他の治療が優先されることもあります。

酸素療法は「我慢しないための治療」

群発頭痛の頭痛は日常生活が送れないほどの頭痛が起こります。職種によっては群発頭痛が起こる期間は休職される方もいます。
しかし、群発頭痛は、正しく診断され、適切な治療を行えば、生活の質を大きく改善できる病気です。酸素療法は、その代表的な治療のひとつです。

まとめ

  • 酸素療法は群発頭痛発作に対して高い効果がある
  • 日本では保険適用で受けられる
  • 副作用が少なく、繰り返し使用できる
  • 発作時に頼れる治療法のひとつ

「ただの頭痛」と我慢せず、
群発頭痛が疑われる場合は、早めに専門的な診察を受けることが大切です。

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参考文献
Cohen AS, Burns B, Goadsby PJ. High-flow oxygen for treatment of cluster headache: a randomized trial. JAMA. 2009;302(22):2451-2457.

Robbins MS, Starling AJ, Pringsheim TM, et al. Treatment of cluster headache: The American Headache Society evidence-based guidelines. Headache. 2016;56(7):1093-1106.

May A. Cluster headache: Pathogenesis, diagnosis, and management. Lancet. 2005;366(9488):843-855.

日本神経学会. 頭痛診療ガイドライン2021. 医学書院.

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