帯状疱疹後神経痛(PHN)について知っておきたいこと
「帯状疱疹(たいじょうほうしん)」は、水ぼうそうのウイルス(VZV)が再活性化して起こる皮膚と神経の病気です。多くの場合、発疹や水ぶくれは数週間で治癒しますが、中には痛みだけが長期間残ることがあります。それが「帯状疱疹後神経痛(PHN)」です。
この記事では、帯状疱疹後神経痛とはどんなものか、誰がなりやすいのか、予防や治療法についてわかりやすく解説します。
帯状疱疹後神経痛(PHN)とは?
帯状疱疹の皮疹が治っても、3か月以上痛みが続く状態を「帯状疱疹後神経痛(PHN)」と呼びます。
その痛みは刺すようだったり、焼けるようだったり・・・。時に洋服がすれるだけ、風が当たるだけでも耐えがたいことがあります。
神経がウイルスによって傷つけられ、慢性的な痛みとして残ってしまうのが原因です。
どれくらいの人がPHNになるの?
帯状疱疹になった人全体の約20%がPHNを発症するとされています。
ただし、年齢が上がるほどそのリスクは高まり、60歳以上では30~50%にものぼるとも言われています。
参考文献:
Yawn BP, et al. Mayo Clin Proc. 2007;82(11):1341-1349.
(米国ミネソタ州の30,000人超の帯状疱疹患者を追跡した研究)
PHNになりやすい人の特徴は?
PHNのリスクを高める要因として、以下が挙げられます:
- 高齢者 神経の回復力が低下しているため
- 発疹や痛みが重症だった人 神経損傷の範囲が広くなりやすい
- 免疫力が低い人 ウイルスがより広範囲に広がる傾向
- 帯状疱疹の治療開始が遅れた人 初期治療の遅れが神経ダメージを進行させる
予防はできるの?
ワクチン接種でリスク軽減します。
現在、50歳以上の方には帯状疱疹ワクチンの接種が推奨されています。
ワクチンを打つことで、帯状疱疹そのものを予防できるだけでなく、PHNのリスクも大幅に減らすことができます。
2種類のワクチンがありますが、最近は不活化ワクチン(シングリックス)が高い予防効果を示し、注目されています。
もしPHNになったら?治療法は?
PHNは自然に改善することもありますが、数か月~数年続くこともあります。
そのため、痛みのコントロールがとても重要です。
主な治療法は以下の通りです:
- 神経障害性疼痛に効く薬:プレガバリン(リリカ)やガバペンチン
- 三環系抗うつ薬(アミトリプチリンなど)
- 神経ブロック注射:神経の過剰な興奮を抑える
- 漢方薬や鍼灸などの補完医療
個人差はありますが、補助的に効果があるケースもみられます。
皮膚の保護と刺激の回避、締め付けない衣服、肌を冷やす工夫など
最後に:早期対応がカギです
PHNは誰にでも起こりうる合併症ですが、早期の帯状疱疹治療と予防接種によってかなり防げます。
「帯状疱疹が治ったのに、ずっと痛い…」
そんなときは、我慢せずに早めにご相談ください。
当院でも、帯状疱疹・PHNに関するご相談、治療を行っています。お気軽にお声かけください。
参考文献:
Yawn BP, Saddier P, Wollan PC, et al. A population-based study of the incidence and complication rates of herpes zoster before zoster vaccine introduction. Mayo Clin Proc. 2007;82(11):1341-1349.

