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2025年8月 1日
腰痛というと、椎間板ヘルニアや腰椎の変形を思い浮かべる方が多いでしょう。しかし、腰そのものではなく、骨盤にある小さな関節が原因になることがあります。それが「仙腸関節(せんちょうかんせつ)」です。
仙腸関節の障害は腰痛の原因の中でも見落とされがちですが、適切に評価すれば改善できる可能性があります。
仙腸関節は、背骨の最下部にある仙骨と、骨盤の左右に広がる腸骨をつなぐ関節です。左右1対、計2つあります。
この関節は膝や肩のように大きく動くわけではなく、ほんの数ミリ動く程度。しかしこのわずかな可動性が、歩く・立つ・座るといった日常動作の衝撃吸収や姿勢保持に重要な役割を果たしています。
構造的には、強靭な靭帯でしっかり固定されており、通常は安定していますが、次のような要因で負担がかかると炎症や不安定性が生じます。
仙腸関節は背骨と下肢をつなぐ要の位置にあるため、腰・骨盤・脚の動きすべてのストレスが集まるポイントです。不安定になったり炎症が起きたりすると、周囲の靭帯や筋肉が緊張し、痛みが腰やお尻、足へと広がります。
特徴的なのは、関節自体が小さいためレントゲンやMRIで明確な異常が見つかりにくい点です。そのため、他の腰痛と区別がつきにくく、長期間原因不明のまま悩む患者さんもいます。
仙腸関節症では、腰痛以外にも多彩な症状が出ることがあります。中でも注目すべきは痛みの分布と出方です。
主な症状
椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症は、神経症状(しびれや感覚障害)が目立つことが多いですが、仙腸関節症では神経症状が少なく、鈍い深部痛が主体です。
また、痛みの位置が腰の真ん中ではなく、ややお尻寄りに集中するのも特徴です。
このため、「原因不明の腰痛」として長く放置されることも少なくありません。
仙腸関節症を疑うサインとして、次のような行動・状況があります。
仙腸関節症は、腰痛の原因としてまだ一般にはあまり知られていません。しかし、症状の特徴を理解すれば、原因特定の糸口になります。
「腰の真ん中ではなく、お尻寄りが痛む」「長時間座るとつらい」――そんな症状があれば、仙腸関節症の可能性を一度考えてみる価値があります。
Eur Spine J, 16(12), 1669-1676.
